『ウェイン・ショーターの部屋』(http://www.bekkoame.ne.jp/~echika/wayne/wsindex.html)の別館です。


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Wayne Shorter "Tokyo 1996"


■Wayne Shorter "Tokyo 1996"          (MEGADISC)

01、(Introduction)
02、Valse Triste
03、Maya
04、Pandora Awakened
05、Over Shadow Hill Way
06、Endangered Species

    Wayne Shorter (ts,ss) David Gilmore (g)
    Jim Beard (p, key) Alphonso Johnson (b)
    Rodney Holmes (ds)       
         Live at Tokyo, Japan 1996.9.3

 これはブートCDRで収録時間は64分ほど。ジャケットのクレジットが正しければ『Live Express』や『Copenhagen 1996』の二ヶ月後のライヴとなる。
 『Live Express』や『Copenhagen 1996』と大きく異なるのは音質で、本作はオーディエンス録音のようで、50年代に地下の薄暗いジャズ・クラブで録られたライヴ盤のような、小ぢんまりした薄暗い感じの音になっている。そこを否定的に感じる人もいるのかもしれないが、個人的にはこの音質もこれはこれでシブくて好きだ。ジャズってこういう小ぢんまりした薄暗さが似合う音楽だと思う。とくにギルモアのギターの音がいい感じだ。全体的にベアードよりギルモアの活躍が目につき、そこは『Copenhagen 1996』のほうに似ている。
 聴いていこう。
 1曲めは『The Soothsayer』(65) に入っていたシベリウス作の "Valse Triste" で、これは伝統的なアコースティック・ジャズの演奏。これは『Copenhagen 1996』と同じで、この頃、1曲目はアコースティック・ジャズで演奏することにしていたのかもしれない。
 これがかなりの名演で、薄暗い音質が曲想にすごく合っている。ショーターももちろんいいが、ギルモアがかなりの名演を聴かせる。
 続く2曲はどちらも『High Life』からの曲で『Copenhagen 1996』のディスク2と同じ並び。演奏の雰囲気も『Copenhagen 1996』に近い。
 そして本作でおもしろいのは後半の旧作曲2曲で、このバンドでの演奏が慣れてきたせいなのか、かなり崩した演奏をし、新しいアイデアも見られる。
 まず "Over Shadow Hill Way" はいきなり猛スピードで始まり、『Live Express』ではベアードが高テンションのソロをとった部分で今度はギルモアが高テンションのソロをとる。そしてかなり長いドラム・ソロを経て、別の曲にメドレーしたのかと思わせる変化をみせるが、その後でテーマが出てくるので、一つの曲の内での変化だったとわかる。続く "Endangered Species" も猛スピードの演奏だ。
 音質も含めてかなり個性の強い演奏で、好みは分かれるかもしれないが、『Live Express』『Copenhagen 1996』の後で聴くと変化が楽しめる。が、この時期のショーター・バンドの魅力を一般的にとらえているのは『Live Express』『Copenhagen 1996』のほうだろう。この時期のショーターのライヴ盤をまず一枚聴きたいという人がいたら、『Live Express』か『Copenhagen 1996』のほうを先に聴くことを勧める。
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by Fee-fi-fo-fum | 2009-05-07 01:01 | Wayne Shorter