『ウェイン・ショーターの部屋』(http://www.bekkoame.ne.jp/~echika/wayne/wsindex.html)の別館です。


by Fee-fi-fo-fum

Wayne Shorter "Copenhagen 1990 feat. Larry Coryell"


■Wayne Shorter "Copenhagen 1990 feat. Larry Coryell"  (MEGADISC)


「Disc-1」
01、Sanctuary
02、Footprints
03、The Three Marias

「Disc-2」
04、Virgo Rising
05、Pinocchio 〜 On the Milky Way Express
06、Endangered Species

    Wayne Shorter (ts,ss) Larry Coryell (g)
    Jim Beard (key) Jeff Andrews (b)
    Ronny Barrage (ds)       
         Live at Jazzhus Montmarter, Copenhagen  1990.10.7


 これはブートCDRで、音質はきわめて良く、文句無しのオフィシャル並み、収録時間は90分ほど。このままオフィシャル化してもらいたい、必聴モノのライヴだ。
 上記のとおりラリー・コリエルと共演ライヴだが、冒頭で「ウェイン・ショーター・クインテット」と紹介されているので、ショーターのバンドにコリエルが加わったかたちだろう。
 ぼくは本来有名ミュージシャンどうしの共演が必ずしも良い結果をもたらすとは限らないと思っている。とくにソリストどうしの共演となると、たんに交互にソロをとってるというだけで、別に一緒に聴いたからといってどうなんだ? と言いたくなる場合も多い。
 しかしこの共演は凄い! しょっぱなからショーターのサックスにからみついてくるコリエルのギターを聴いて、相性の良さにゾクッとする。
 コリエルは主にアコースティック・ギターを使っていて、アンサンブルの部分では目立たないきらいはあるが、シブくて魅力的な音色だ。ベアードもソロでは主にアコースティック・ピアノの音に近いキーボードを弾いているし、バンドそのものも基本的にはフュージョン/エレクトリック・ジャズでありながら、みょうにアコースティックな雰囲気を感じるサウンドになっている。躍動感には欠けるかわりに、アコースティック・ジャズ的なくつろぎというのか、そういった感触をうける。
 注目すべきはショーターのサックスの音に対して対話的に応じてくるのが共演歴が長いベアードよりむしろコリエルであるところだ。コリエルはソロ・スペースで即興演奏を繰り広げるだけでなく、演奏全体のなかを自由に泳ぎまわって、さまざまな楽器と対話している。コリエルが加わったことで演奏全体の対話性が増している。
 もちろんコリエルのソロも充分に良い。好ましいのはコリエルという人がクールに燃え上がるタイプのギターリストである点だ。ショーターとギターリストが共演する場合、サンタナのような熱血系であるより、このようなクール系のほうが合う気がする。それにしても、オフィシャル化されたサンタナとの共演ライヴと聴き比べるにつけ、オフィシャル化してほしいのはむしろ本作のような演奏だと思わずにいられない。
 もちろんショーターの演奏もアタマからゾクゾクするほどいいし、ベアードも本作ではかなりいいソロをとっている。いまにも不吉なことがおこりそうな不気味さに満ちた "Sanctuary" はこの曲のベスト・トラックではないだろうか。
 たんに有名ミュージシャンが二人同時にステージに乗ってます的な共演ではなく、1+1が3にも4にもなる共演とはこういうものを言うのだろう。
 70年代からこっち、自分のバンドにギターリストは加えなかったショーターが、1996年のバンドにギルモアを加えたのはどういう心境の変化だったんだろうと思っていたが、この共演が上手くいったからじゃないかと考えるのは考えすぎだろうか。
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by Fee-fi-fo-fum | 2009-05-13 01:34 | Wayne Shorter